2024年3月28日

米NVIDIA、先端半導体「H200」を出荷 AI処理能力を向上

米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)は27日、先端の画像処理半導体(GPU)「H200」の出荷を始めたと発表した。H200は人工知能(AI)向けの半導体で、現在の主力GPU「H100」の性能を上回る。最新のAI半導体を相次ぎ投入して高い市場シェアの維持を狙う。

NVIDIAは27日にH200の性能評価の結果を明らかにした。米メタの大規模言語モデル(LLM)の「Llama(ラマ)2」で比較したところ、H200はH100に比べて生成AIが回答を導く処理速度が最大45%高まったという。

H100はIT(情報技術)大手がデータセンターで生成AIの学習などに使う主力の半導体だ。生成AIブームで需要が急速に高まり、エヌビディアの業績拡大と株価上昇のけん引役となった。

NVIDIAは18日、開発者会議で次世代AI半導体「B200」を年内に投入すると発表した。今回出荷を始めたH200よりもさらに新型のGPUとなる。B200とCPU(中央演算処理装置)を組み合わせた新製品を最新のLLMに使うと、処理能力が既存製品に比べて約30倍になるという。

英オムディアによると、NVIDIAはAI半導体の市場シェアが2022年に約8割だった。AI半導体の分野では米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など競合企業がエヌビディアに対抗する製品を開発し、競争が激しくなっている。