2024年3月14日

SEMIのCEOが主張 「2030年に1兆ドルの市場」を目指すなら、半導体工場はまだ足りない

SEMIのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるAjit Manocha氏は、「半導体業界が2030年に1兆米ドルの市場規模を達成するには、工場の生産能力がまだ不十分である」と指摘した。

 

SEMIのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるAjit Manocha氏は、オーストリアのウィーンで2024年3月6~8日に開催された「Industry Strategy Symposium(ISS) 2024」においてオープニング基調講演に登壇し、「2023年には多くの人々が、『米国の半導体業界が現在の成長軌道を維持すれば、2030年までに1兆米ドル規模の市場になる可能性がある』という話をよく耳にしたのではないだろうか。しかし、これはそう簡単なことではない。2026年までに世界全体で109件の工場が稼働を開始する予定だが、それでも米国には生産能力がないからだ」と語った。

 

Manocha氏は半導体工場について、「われわれが最近発表した四半期データから、2026年までに世界全体で109の工場が稼働を開始する予定であることが分かる。これら109の工場のうち89の工場は、既に着工や建設、最初の装置設置、ウエハー製造などの段階に進んでいる。概算によれば、2026~2030年の間に100近くの工場が立ち上がる見込みだ」と語る。「それぞれの工場が1万~1万2000人の雇用を創出しており、これを100件超の工場数で乗じれば、どれだけの人数になるかが分かるだろう。工場が建設される地域にとって、これは非常に大きな成長要因となる。工場は、雇用機会をもたらすのだ」、と工場の仕事の重要性についても説明した。(同氏)

 

Manocha氏は今回のビデオインタビューでは、「インドと東南アジアの成長」、「続く人材不足」、「PFASの禁止が半導体業界に与える影響は」、「AI/量子コンピューティングでは省エネが鍵に」など、業界が直面するさまざまな課題について議論した。