2021年11月30日

英国、NVIDIAによるArm買収の調査を拡大へ

英国政府は、NVIDIAによるArmの買収について、競争や国家安全保障などの面で懸念があるとして、24週間に及ぶ追加調査を開始したという。規制当局は、初期調査に関する詳細な報告書を発表しており、「NVIDIAのArm買収によって、技術イノベーションが阻害される可能性がある」と結論付けている。

今回の動きは、欧州委員会(EC)がEU企業結合規則に基づき、NVIDIAのArm買収計画についての独占禁止法審査を開始してから、3週間後となるタイミングで発表された。2022年3月15日までに判断を下す予定だという。欧州規制当局は、両社の合併後に、ライバル企業に対してArm技術へのアクセスを制限するための動機が生じる可能性があるという点を懸念している。またECの調査では、この買収により、半導体業界において製品価格の上昇や選択肢の縮小、イノベーションの低下などが起こり得る可能性についても検討するという。

NVIDIAは、英国規制当局の承認を得るための取り組みにおいて、行動的問題解消措置を提案し、その一環としてArmのオープンライセンスプログラムを保持するための5年計画を提示した。また、既存のライセンシーに対してArm技術へのアクセスを提供するとし、その中にはNVIDIAが取得する全てのArm技術へのアクセスも含まれるという。